ジャンプシリーズ
- お知らせ
- 2020.08.30 Sunday
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皆さん、8月もあと2日となりました。
今回はジャンプです。
斜面変化を利用してジャンプするのはイメージしたことを行うので自らの意思によるものです。
バッチリとイメージと合えば「やったー」となるのですが、スピード、タイミング、方向がイメージとちょっと違うと「ヤバイ」大変なことになるので飛ぶときは細心の注意が必要です。
私が記憶している日本スキー教程の初版に、スキーとは「滑る」「回る」「飛ぶ」止まる」と書かれているそうです。
確かめていないのでもし間違いでしたら、ご存じの方教えてください。
つまり、スキー技術に「飛ぶ」があり昔のバッジテスト1級の種目に「ゲレンデ・シュプルング」がありました。
受験者は女性でも年配の方もチャレンジしていました。
現在は、「飛ぶ」という種目もなくどちらかというと飛ぶ技術が忘れられている気がします。
キャンプでジャンプの撮影するチャンスは珍しく、月山キャンプの牛首方向に飛び込む場所はジャンプに最適です。
一気に斜面変化するので皆さん斜面変化にどう対処するかイメージして飛び込みます。
馴れている人は飛び出す前にイメージしていますが、馴れていない人は飛び出してから対応しています。
ジャンプするとき直線的に飛び出す(ゲレンデシュプルング)、切り換えながら飛び出す(エアーターン)の2つがあります。
どちらもどれだけ飛んでどこに着地するかイメージを決めてから行います。
スキーと斜面の落差を見ると急激な斜面変化が分かると思います。
Kさんはゲレンデシュプルングのように直線的に飛び出しています。
手を前に広げてバランスを保っているので予測した飛び出しです。
もし、想像より飛び出すと手が引け腰が遅れてしまいます。
ゲレンデシュプルングの場合は、空中に飛び出してからスキーを着地の斜面に合わせるようにトップを下げます。
切り換えながら飛び出しています。
右のストックを突きながら角付けを切り換えた瞬間です。
左右のスキーに段差があるのは左ターンから右ターンに切り換えたときの特長です。
目線や両腕の構えを見ると着地地点を予想して飛び出し、このタイミングでは着地地点を見ています。
飛び出す前にどのくらい飛び、着地地点を予想していたのでこのバランスになったのです。
こちらも切り換えながらの飛び出した瞬間です。
目線が次のターンに向かっています。
ただ、この瞬間に抱え込みながら切り換えたなら身体とスキーが斜面に合わせられますが、腰を落としながら切り換えたのでこのあとバランスを崩すでしょう。
「抱え込み」ながら角付けを切り換える「膝の返し」が同時に行うと綺麗なエアーターンになります。
切り換えながら飛び出して内側にバランスを崩しています。
内スキーで着地して問題はありませんが、予測したよりスピードが遅いときに起こります。
対応方法としては、内足を伸ばして着地、すぐに外スキーにバランスを戻してください。
これは通常の斜面のリカバリーと同じです。
人間が恐怖を感じたとき、身体を縮めるタイプと身体を伸ばすタイプがあるようです。
もし、写真の体勢から身体を縮めたらきっと転倒しやすいでしょう。
逆に伸ばしながら内スキーで着地していたらリカバリーとなります。
ジャンプというとこの二人は欠かせません(笑い)
思いっきり飛んでいます。
手を高く上げてバランスを取って着地地点を見据えています。
スキーの向きも斜面に合わせていますが、本人はもう少し低いジャンプをイメージしていたと思います。
もし、このタイミングで抱え込みが出来ていたなら「やったー」になっていたでしょう。
以前の写真と似ていますが、違う日に撮影した写真です。
今回はバランスよく着地し右ターンに繋げています。
斜面変化が急激なのでバランスを取るのは大変難しいため全身をフルストレッチしています。
スピードが速いとこのようなバランスとなるのが自然です。
両スキーで着地できる安心感があるので目線は次のエッジングをイメージしているでしょう。
かぐらキャンプで珍しくオフピステで撮影し最後に斜面変化でジャンプの写真を撮る機会がありました。
この会期は参加者が4人で天気が良くオフピステも滑れたので短い距離でアップの写真撮影できました。
コンデションに恵まれた撮影の最後にジャンプをお願いしました。
切り換えながら飛び出す瞬間です。
ここもスキーと斜面の落差から急激な斜面変化があります。
全体のバランスが良いのでこの後も安定した滑りとなっています。
ジャンプで大事なことは両スキー同時に操作することです。
飛び出した瞬間に両スキーバランスなので着地地点を見ていられます。
ジャンプで大切なのは昔から言い伝えられているのが「両足で飛べ」です。
交互のバランスで飛んだらとんでもないことになるからです。
長野オリンピック・ダンヒル・トレーニングランでオーストリアのヘルマン・マイヤーが想像よりスピードが出て交互のバランスで飛び出し、コース外の安全ネット(二重)をさらに飛び越えてコースアウトしました。
場内が騒然とした瞬間ですが、本人は無事でその後金メダルを取ってターミネーターと呼ばれました。
ストックを突きながエアーターンしています。
落差があってもスピードが遅いときは、このストックでバランスを保ちながら飛び出すと良いでしょう。
斜面変化を予想してスキーのトップを下げています。
この時、左ターンのエッジングを予想していたならもっと角付け角を深めたバランスとなり、安心感が生まれます。
エアーターンは空中で角付けを切り換えます。
飛び出したら身体は空中で円を描くことは出来ませんが、曲げ伸ばしとひねることが出来ます。
このひねりを利用して角付け角を切り換える膝の返しが出来ます。
馴れてくると飛び出した瞬間に膝の返しで切り換えを優先します。
もう一つ、空中で可能なのがスキーの操作です。
身体は直線的に移動しますが、空中でもスキーを切り換えながらスキーの向きとトップの上げ下げが出来ます。
その操作をしやすくするため角付けを優先して私はエアーターンを行っていました。
飛び出してバランスを崩しています。
スピードと飛んだ距離が短かったのでこのあとバランスを取戻しています。
この瞬間、本人は「ヤバイ」と思ったので目をつぶっています
人間は限界になると意識が無くなるようで目に現れるようです。
この時、内足を長くしていたのでバランスを持ち直したのです。
恐怖を感じたとき身体を縮めると大変なことになりますよ。
昔話ですが、札幌オリンピックの前々年、恵庭山ダンヒルコース(今は自然に戻しています)で私は急斜面の途中でさらに急斜面になった瞬間、意識を無くしてコース外に飛び出してしまいました。
両スキー、両ストックがバラバラに折れ、ヘルメットがへこみ、その後数時間の記憶がありませんでした。
人間「ヤバイ」と思うと目をつぶってしまうのです。
最後は70代のジャンプです。
ゲレンデシュプルングが種目の時は、年齢に関係なく受験者は飛んでいました。
もしかしたらYちゃんも飛んでいたかもしれません。
今度、本人に聞いてみます。
身体が伸びきっているのでイメージしていたより違いがあったからでしょう。
左右のスキーが違う動きとなっています。
飛び出してか操作する人によく起こります。
撮影に協力して飛んでくれたYちゃんに感謝です。
ジャンプは空中に飛び出すので馴れるまで恐怖があり、飛ばないように心がける人が多いと思います。
また、指導で曲げ荷重を重視すると、両足を伸ばしてバランスを取る姿勢が不得意になると思います。
この頃は、フリーライド系のスキーヤーが多くなってジャンプを楽しんでいます。
ちょっとした起伏を利用してジャンプを楽しんでください。
飛び出すとき両足を伸ばして着地でショックを吸収できると「飛ぶ」「ジャンプ」が楽しくなりますよ。